SIGMA DP1シグマが最初のフォビオン搭載デジタル一眼レフ「SD9」を発売したとき、フォビオンの光を取り込む技術に興味を持ち、フォビオンが作る写真にはポジフィルムを思わせる色が再現されており、瞬間的に物欲指数が急上昇し使いたくなった。とはいえシグマSAマウントとカメラ本体のスペックの低さを知って、テストをしないで入手するのは危険かと判断した。無理矢理シグマへお願いをしてテスト機を出してもらい使ってみた。やはりフォビオンは想像通り素晴らしかった。しかし、ボディは想像通りヘタレだった。同時期に使っていたデジタル一眼レフカメラは、キヤノンのD60であり、ニコンのD1であり、スタジオタイプのデジタルであったため、少なくとも同等レベルになければ仕事で使うことは難しい。今と違ってそれほど趣味オンリー機を持てる状況でもなかった。 UV/IRフィルターを装着したところ そのまま太陽を撮影すると、このような赤いフレアが発生する。 UV/IRフィルター使用でここまで軽減できればよいのではないだろうか。 などなど。 確かに現代的カメラの基準から考えれば多少使いにくいこともあるだろうが、DP1は唯一無二のコンパクトデジタルカメラでAPS-C相当のフォビオンが搭載されているのである。これを何を使いたくて使うのだ。使い倒すのだ。文句なんか言う前にシャッターを切れ。 いかん。愚痴になる。 とにかくDP1でフォビオンを楽しむ、いや、写真を楽しむことができるカメラであることに間違いはない。ただし、フォビオンをそしてDP1を少し理解して使う必要があるだけだ。 そのDP1の楽しみ方のひとつに、薄い内臓IRブロッキングフィルターを通過する赤外線を生かした「赤外線写真」を撮ることができる。08年末ごろにやっと製造元のケンコーから日本向け可視光線カットフィルターが発売になるが、待っていられないので米国から「R72」という720nm以下の可視光線をカットし、以上の赤外線を通過させるフィルターをアメリカから個人輸入して使っている。 こうして僕は、「通常利用」の他に、「ピント固定ノーファインダースナップカメラ」として、「デジタル赤外線写真機」としてDP1を楽しんでいる。両方共にフォビオンが作り出してくれる唯一無二の写真が撮れるデジタルカメラとして楽しんでいる。 楽しみついでのDP1アイテムを紹介しておこう。 28ミリ相当の画角を楽しむために、そして感度設定をISO100で楽しむために、マンフロットの小型三脚を持ち歩くようにしていている。 小型三脚を使うことで、小人さん視点撮影をしたり、夜間を低感度撮影できる。 DP1に使うストラップは、エンゾーさんプロデュースの児島商店の革ストラップをチョイスした。布製と異なりしなやかさは薄いが、スタイリッシュで軽いDP1には非常に似合っていると思っている。 おっと、08年フォトキナにて嬉しい悲鳴な発表があった。シグマは42ミリ相当の単焦点レンズを搭載した「DP2」が開発中なのだ。その他DP1のパッケージングを意識したと思われるマイクロフォーサーズ陣営が、大きいサイズセンサーを搭載するデジタルコンパクト機界へ殴り込みをかけてくる。どれもかなり気になる存在になりそうだが、僕はしばらくはDP1を思う存分使いたいと考えている。 2008年10月 ジャンル別一覧
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